-竜王 鏡の里- 若井農園

若ちゃんの農園日記

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■ふゆみずたんぼとは
「ふゆみずたんぼ」(冬期湛水水田)は、冬の間も田んぼに水を張り、田んぼに生きる原生生物やイトミミズ、水鳥など多様な生きものの力を借りて、無農薬、無化学肥料で米作りを行う農法です。慣行農法では、農薬や化学肥料など、外から物質を投入することによって肥料不足や病害に対処しますが、ふゆみずたんぼは、生態系の力を使い、水や土の浄化・再生によって田んぼの機能を改善する、いわば内側からの自然再生手法として注目を集めています。




■古くて新しい農法
ふゆみずたんぼの歴史は古く、江戸中期の1684年に佐瀬与次右衛門が著した会津農書でも「田冬水」と紹介され、現在でも新潟県の十日町から東頸城(ひがしくびき)の地域では、伝統的な「ふゆみずたんぼ」の風景を見ることができます。会津農書には「川ごミ(有機物)が発酵して良い」とあり、有機成分の多い水が菌類やイトミミズなどの発生を促し、活動を活発化させることを当時から既に知っていたと推測できます。さらに歴史を遡ると、中国雲南省の山岳地帯には、4000年以上も前から続いていると言われるふゆみずたんぼがあります。現在では、スペインのエブロデルタをはじめ、アメリカ、イタリア、フランスなどでも水鳥と農業との共生手段として積極的に利用されています。





■命の循環が生み出す3つの効果
ふゆみずたんぼには、3つの効果があります。一つ目は施肥効果。冬に水を張ることによって、水の中に菌類やイトミミズが大発生します。それを餌にするガンやハクチョウなどの水鳥がやってきます。稲の切り株やワラは微生物によって分解され肥料となり、水鳥の糞に含まれるリン酸や窒素は土の養分となります。二つ目は抑草効果。ふゆみずたんぼにはイトミミズやユスリカが多く発生します。有機物を食べて分解し、微生物の働きが活性化した糞を出します。この糞が「トロトロ層」と言われるきめ細かな粒子の土の層になります。1年で10センチ近くも堆積し、コナギやヒエなどの雑草の種を埋め込み、その繁殖を防ぎます。そして三つ目は害虫駆除の効果です。春、水を張った田んぼにはカエルが産卵をします。害虫が発生する頃に、カエルやクモが活躍して、農薬を使わなくても害虫を食べてくれます。このように、冬に田んぼに水を張ることで、生命の循環を上手く使って、肥沃な土を作り、雑草を抑え、害虫を駆除することができるのです。




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